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身近に潜む危険　〜チョコレート編〜

2024/05/15

皆さんこんにちは、Kurumiです。
5月といえばゴールデンウィークですが皆様はどのように過ごされたでしょうか？春が過ぎ去り、早くも日中は暑さを感じる日が多くなりましたね。急な気温の変化に体がついていきませんが、体調を崩さないように気を付けてくださいね。

さて、今回は犬にとっては有害なチョコレートについてご紹介します。ご存知の方が多いトピックかもしれませんが、なぜ犬が食べてはいけないのか今一度詳しくみていきましょう。

■ チョコレートはなぜ危険？
そもそもチョコレートってなぜワンちゃんは食べちゃいけないのでしょうか？
それはチョコレートのカカオに含まれるテオブロミンという成分が主に関係しています。テオブロミンはコーヒーや紅茶に含まれるカフェイン（チョコレートにも少量含まれます）、人間の喘息薬に含まれるテオフィリンとともにメチルキサンチン類と呼ばれ、中枢神経系や循環器系に強い作用をもたらします。これらが含まれるチョコレート製品をワンちゃんが摂取すると最悪の場合、心不全や中枢神経障害を起こし、命に関わる可能性があります。

■ どのくらい食べたら危険？
チョコレートはいろんな種類がありますが、カカオの含有率が高いほど中毒を起こしやすいです。つまりミルクチョコレートよりビターチョコレートの方が危険ということになります。
テオブロミンは犬の場合、体重1kgあたり20mg以上摂取すると中毒症状が現れ、致死量は体重1kgに対し250〜500ｍgと言われています。
例えば体重5kgの子がミルクチョコレート1枚（約50ｇ）食べると中毒症状が出る可能性があるかもしれません。ただし毒性はチョコレートの種類や動物の体重によっても大きく異なるため計算は複雑です。海外では食べたチョコレートの種類と量からどのくらい危険なのかを教えてくれる便利なサイト（英語ですが）もあります。

■ どんな症状が起こるの？
基本的に摂取2〜4時間後に過度な興奮、落ち着きがない、呼吸が荒い、嘔吐、お漏らし（またはおしっこの量が増える）、下痢などの症状が起こると言われています。症状が進行すると、不整脈、発作、昏睡が起こり、症状が深刻な場合、心不全、呼吸困難が生じると考えられています。

■　食べてしまったらどうすればいい？
まずはかかりつけもしくは、近くの動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。その際にどんな種類のチョコレートをどのくらい食べてしまったのか伝えましょう（パッケージを持参すると治療の参考になります）。残念ながら、チョコレートの中毒症状に対しての特効薬はありません。
基本的に食べてから2〜3時間以内であれば催吐処置が有効です。
食べてから長時間経ってしまったと考えられる場合、利尿（おしっこを出すこと）による毒素排泄を促すための輸液療法や、毒素を吸着させる活性炭の投与、症状に応じた治療（発作止め、抗不整脈薬の投与）などを行いながら集中管理が必要です。

いかがでしたか？チョコレートは筆者の経験の中でもワンちゃんの誤食で一番多い食品です。食べる量によっては命に関わる怖い食品ですので、絶対にワンちゃんの手の届かない場所に保存するようにしてくださいね。ご自身がおやつとして食べている時にも注意ですよ。うっかり出しっぱなしにしてたら…なんてこともありますから。

【参考文献】

•PA Talcott, et al. Small animal toxicology 3rd ed. LK Dolder. Methylxanthines: Caffeine, Theobromine, Theophylline. 2013. 647-652.

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