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TOPコラム犬が食べても安全な食材　〜蕎麦（そば）編〜

犬が食べても安全な食材　〜蕎麦（そば）編〜

2024/12/19

皆さんこんにちは、Kurumiです。
今年も気づけばもうあとわずか、皆さんはお正月をどのように過ごす予定でしょうか。今年中に終わらせておきたいことを済ませ、来年度も気持ちよく迎えたいですね。
さて今回は”コミフの年越し鴨そば”の発売に合わせてワンちゃんが食べても安全な食材「蕎麦（そば）」をご紹介いたします。
蕎麦について詳しくみていきましょう。

■　蕎麦の歴史
蕎麦の歴史はとても古く、縄文時代（約9000年前！）には日本に存在したのではないかと言われています。それを裏付けるように、その時代の日本のいくつかの遺跡（島根、高知、北海道など）から蕎麦の花粉が出土されています。稲作が始まったのが約3000年前と言われているため、実は蕎麦はお米よりも前に日本にあったということです。
蕎麦がどこから来たのかは諸説ありますが、稲と同じように中国から九州地方に伝来したのではないかと考えられています。いわゆる私たちが想像する蕎麦の形（麺状）は江戸時代（1500年頃）に登場し、蕎麦切（そばきり）として知られるようになりました。それまでは蕎麦粉を湯でこね、餅状にした「そばがき」や「そばもち」（下記の写真のようなもの）が食べられていたそうです。

■　なぜ年越しにそばを食べる？
日本の伝統的な習慣として、新年を迎える際に縁起物として食べられる年越しそばには大きく4つの意味が込められています。

1.長寿と健康
そばの細く長い形は長生きと健康を象徴し、年越しそばを食べることで寿命を伸ばし、家運を伸ばすという願いが込められています。
2.厄災や苦難の断ち切り
他の麺類に比べて切れやすいことから、一年間の苦労、不運、厄災、借金などを断ち切り翌年に持ち越さないようにする意味が込められています。
3.金運アップ
昔は金銀細工の職人が金粉を集めるために蕎麦粉を使ったため、そばはお金を集める縁起物として考えられるようになりました。
4.無病息災
畑のそばは雨風にさらされても起き直ることから、厳しい環境に耐え、また回復する力も持つと言われています。
この特性から、年越し蕎麦を食べることで新年も病気や災害からいつも守られるようにという意味が込められています。

■　そばの栄養学
お米などの他の穀類と比べると比較的タンパク質や食物繊維が多く含まれます。またビタミンやミネラルも含まれ総合的に見ると栄養素の高い食材だと言えます。ここではそばに含まれる代表的な栄養素を紹介します。

1. タンパク質（アミノ酸）：健康な筋肉、皮膚、被毛を保ちます。タンパク質を構成するアミノ酸のうち、食事からしか摂取できない必須アミノ酸をバランスよく含み、特に他の食品で欠乏しがちなリシンが豊富に含まれるのが特徴です。
2. 食物繊維：腸内環境を保ち腸の運動を促進します。
3.カルシウム：健全な骨の発育と維持、細胞間の情報や神経刺激の伝達に関与します。
4.リン：エネルギー代謝に欠かせないATPや、細胞膜の構成成分であるリン脂質などに含まれ、重要な働きを担います。またカルシウムと共に骨の強度の維持に働きます。
5.鉄：全身に酸素を運ぶ働きを担う赤血球に含まれるヘモグロビンの重要な構成要素です。欠乏すると貧血を起こします。
6.ビタミンB群：皮膚、被毛、目の健康を保ち、神経機能をサポートします。また様々な代謝活動で多様な役割を果たします。
7.ルチン：抗酸化作用を有するポリフェノールの一種で身体の中で発生した過剰な活性酸素を消去し細胞膜やDNAを保護します。また炎症を抑え、血管を強化します。

■　与え方
・乾麺は消化に悪く下痢を起こす可能性があるので茹でた麺を与えるようにしましょう。
（ちなみに蕎麦湯はokです）
・味付けをすると塩分過剰になり心臓や腎臓に負担をかける可能性があるため、特に味付けはせずに与えるようにしてください。
・ネギやわさびなどの薬味を与えないように注意してください。ネギは犬にとって有害な食材で深刻な貧血を起こす可能性があります。またわさびなどの香辛料は刺激が強く、胃腸炎を起こす可能性があります。
・特に明確な基準はありませんが、食べ過ぎは消化不良を起こす可能性があるので、与える量は普段の食事の10%までに留めましょう。

■　注意点

・食事アレルギー
人の方では蕎麦アレルギーがあることが知られていますが、犬では報告がほとんどありません。しかしながら、可能性はゼロではありませんので、犬に初めて蕎麦を与える時は、少量与えて様子を見ましょう。もしも、あげた後に皮膚の症状（赤み、発疹、痒み、腫れなど）または消化器症状（嘔吐、下痢など）がみられた場合は、アレルギーの可能性がありますので与えるのは控えるようにしてください。
また小麦アレルギーがある場合は要注意です。蕎麦自体にはグルテン（小麦アレルギーの主要な原因タンパク質）が入っていないのですが、そばの製品によっては何割かの割合で小麦が混ぜられている場合がありますので、必ず成分表示を確認するか、あげないと決めた方がいいかもしれません。

・既往歴がある場合
持病のために療法食を与えていたり、投薬をしている場合は必ずかかりつけの獣医さんに相談しましょう。例えば腎臓病では蕎麦のようなタンパク質やミネラルを多く含む食品は避けた方がいい場合があります。また、膵炎や消化器疾患があり消化しやすい食事を食べている場合は食物繊維が多い食材は控えた方がいい場合があります。

いかがでしたか？
この機会にワンちゃんと一緒に年越しそばを食べながら新年を迎えるのもいいかもしれません。コミフの年越し鴨そば、是非チェックしてみてください！

次回は新米獣医さんの留学日記オーストラリア編の第二弾を掲載する予定ですので楽しみにしていてくださいね。

【参考文献】
・文部科学省　日本食品標準成分表（八訂）増補2023年
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
・大和製作所　【日本・そばの歴史】江戸時代から現在までの歴史
https://www.yamatomfg.com/info/history-of-sobanoodle/
・ウェザーニュース　日本人は、なぜ年越しそばを食べるのか？　各地のそばに込められた意味とは
https://weathernews.jp/s/topics/202112/270055/
・ROYAL CANIN 犬と猫の栄養成分辞典
https://www.royalcanin.co.jp/dictionary/column/20210616

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